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春のヒゲダンはさわやかなエールソング -Official髭男dism「パラボラ」

 

 

2019年の音楽シーンといえば、ヒゲダンだったと思います。

「Pretender」という最強のキラーチューンを手にした彼らは、あらゆるサブスクリプションで上位を総ナメ。その後発売したアルバム「Traveler」はもちろん、2020年2月に発売したシングル「I LOVE…」がドラマ主題歌として大ヒット。老若男女問わず愛されるロックバンドとして名前を日本に轟かせました。

 

 

春になってもその躍進は止まりません。現在はコロナウイルスの影響によってツアー中止/延期に追い込まれている状況はあれども、各種フェスにひっぱりだこ。9月のSUPER SONICには名だたる世界のスターの名前と並んでヒゲダンの名前が発表されました。見劣りしなかった…すごい…。

supersonic2020.com

 

 

さて、そんなヒゲダンがこの春に送り出す最新チューン「パラボラ」は、さわやかなエールソング。2020年「カルピスウォーター」CMとのタイアップ曲で、新社会人に向け「まっしろで、すすめ。」をテーマにエールを送るTVCMに仕上がっています。

パラボラ

パラボラ

  • provided courtesy of iTunes

 


Official髭男dism 新曲「パラボラ」披露 永野芽郁とヒゲダンがCMでコラボ! 『カルピスウォーター』新CM

 

 

この「パラボラ」、意訳するとすれば「放物線」という意味だそうなのですが、彼らの音楽から最近受けていた、音楽的ギミックをとっぱらった、素直でまっすぐな音作りだなという印象を受けました。

 

例えばサビのドラムはずっとシンプルな四つ打ちであったり、藤原が奏でるシンセサイザーもあまり超絶技巧的なメロディーはなく、非常にわかりやすい。

 

また、曲全体で言えることなのですが、ヒゲダンの曲はAs dur(嬰イ長調:Pretender)やCis dur(嬰ハ長調:Stand By You)といった、比較的シャープ、フラットを多用した難しい調で曲を作っていく傾向にありました。が、「パラボラ」はB dur変ロ長調)。耳なじみがよく、吹奏楽部出身の彼ららしい、という印象でしたね。

 

 

ヒゲダンのチューンは、お世辞なしに詞が上手いわけですが、今回も非常に素直で、刺さりやすい言葉が並べられていると感じました。あえて対象を絞らず、あいまいな一人称を使うことで多くの人の共感を得やすい彼らの言葉選びは、「パラボラ」でも健在。誰しもが青春時代に思ったであろうレールを歩くその先に今の自分がいる、といった内容なのかなと思いました。

 

 

彼らがOfficial髭男dismというバンドを結成して、今年で8周年。先日の「SCHOOL OF LOCK!TOKYO FM)」で、藤原はこのように話していました。

 

「バンド結成してからだと、もうすぐ8周年だよね。当然8年もあると、音楽性とかやってることとか変わってくるじゃない? でもこの「パラボラ」が生まれたことで、もう一周回って新しいヒゲダンを始めることができるきっかけになったんじゃないかな、と思っています。」

 

つまり、彼らにとって、すでに1周し始めている。2周め、3周めと重ねれば、それはそれほどパワーアップした彼らの力を私たちは聴くことになる。

 

2019年、大ヒットした彼らは今後どのように私たちに音楽を届けてくれるのか。

彼らの今後も含めて、非常に未来を感じさせてくれる1曲でした。

 

 

Pretender

Pretender

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I LOVE...

I LOVE...

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Traveler[通常盤]

Traveler[通常盤]