Departure's borderline

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奇数多角関係はどうしても犠牲が出る~『Just Because!』読了メモ

 

アニメ化されてから、タイトルだけは知っていた『Just Because!』をやっと読み終えました。やっとと言っても読み始めたのは今日なので、実質3時間くらいで読み終えてます。手軽なラノベ感があるのは、やっぱりメディアワークスのいいところ。 

 

Just Because! (メディアワークス文庫)

Just Because! (メディアワークス文庫)

 

 

あらすじ

 「あいつを好きな君の横顔が、たまらなくきれいだったから───」中学時代に福岡へ転校した瑛太は、高校生活残り3ヵ月という時期に、再び父の転勤のため地元・鎌倉へ戻ることになる。転入した高校には、かつて淡い恋心を抱いていた美緒と、美緒が心を寄せる陽斗の姿が。瑛太にとって中学時代の野球仲間である陽斗は、ある女子に「告白してくる」と言い出して……。

 受験、卒業、恋───高校生たちのきらめきと揺らぎを描き出す青春群像劇。アニメ『Just Because!』原作小説。 

 

鴨志田作品は、電撃文庫で見かけることが多いのだけれども、メディアワークス作品ということもあって、少しアニメ色は薄いのかも。代表作は『さくら荘のペットな彼女』シリーズ。

アニメ化は2017年秋クール。音楽プロデュースがやなぎなぎさんだったからすごくよく覚えてる。見てないけど…。

 以下ネタバレあります。

 

とにかく世界が狭い

登場人物がとにかく超超超少ない

青春ものって、学校生活が中心になるから、結構いろんな人の名前が飛び交うイメージがあるんだけれど、これはメインの5人を除けばあとは名前も覚えなくていいくらいの端役がチラホラ出てくるだけ。

ただ、メインの5人の名前が、いわゆる現代キラキラネームではなくて、覚えづらい。美緒とか瑛太とか。中盤になってやっと登場人物の名前とキャラが一致したなあというイメージです。

キラキラネーム小説は、私はそこまで好きじゃないな…とかいつも思ってたんだけど、よく考えると主人公の名前を印象付ける意味でアリな手法なんだなあと。

 

また、メイン5人の学校生活が全くと言っていいほど描かれていない。確かに冬休み・受験による自由登校のシーズンを描いた物語だから、自然と私生活にスポットを置いた話にはなるんだけれど、それにしても学校生活のシーンがなさすぎる。もう少し、学校でのそれぞれのキャラクターを見てみたかったかな。

 

 

奇数多角関係はツラい

この物語は「奇数多角関係恋愛小説」と言っていいでしょう(中国語みたい)。

最初、

森川 ← 陽斗 ← 美緒 ← 瑛太 ← 小宮

だったのが、

森川 ↔ 陽斗 / 美緒 ↔ 瑛太 ← 小宮

になるわけですね。

多角関係の恋愛小説って、男女の比率が同じだと意外と全員救われるものが多いと思います。つまり、比率が違うとだれか一人は絶対報われない

今回の犠牲者は小宮。ああ、もっといい恋が見つかるといいね…。たぶんラストに出てきた写真部のカレは小宮のことが好きだと思う…。

 

私はどうしても、全員が報われる小説が好きなハッピー野郎なので、エンディングは小宮のことしか考えてませんでした。小宮ァァァァ。

 

リアリティはないけれど、読みやすくて甘酸っぱい、いい小説。

たしかにこういう多角関係って、リアリティがないんですよね。さすがにリアルで起こる多角関係って、三角までが限度でしょう。四角関係って聞かない。

それでも、この小説は若いうちに読む機会があれば十分に楽しめると思いました。ぜひ大学生までに読んでほしい。受験の苦しさを覚えているうちに読むべき。社会人になったらちょっとこれはキツいかもなと思います。

高校生がラノベ気分で読むのなら、本当に読みやすい小説ですね。さっくり読めるし、展開が早いからサクサク読めます。あと甘酸っぱいわ…。22歳にもなると17歳って本当にキラキラして見える。

 

はー もう一度高校生やりなおしたい。

 

 

近況報告

日本でのお仕事のほか、フランスでのライター活動を本格的に再開することになりました。きっかけをくれたT氏、本当にありがとう。

まだ先ですが、5月末には私がフランスに行くか、フランスのクライアントのほうがこっちに来るかで調整中です。夏頃には、月に4本ペースでコラム(たぶん英字)を書き下ろすことになりそう。英語勉強しなきゃ。

日本では、ベースのお仕事のほか、Web記事を何本か書き下ろすことになりそうです。

ベースが紙のしっかりしている媒体なので、やっぱりWebで書くことも覚えたいなと思う所存。SEOも学びたいし。

どんどん自分から売り込んでいこうと思ってますが、お仕事まってます…!(こっそり)

 

 

ひとまず今日はこのあたりで。